海底の先

日常や本、映画などで心が動いた瞬間を文章にします。

『あの素晴しい愛をもう一度』と自分のための独り言

 

「あの素晴しい愛をもう一度」とは、北山修が作詞、加藤和彦が作曲し2人の連名で発表した歌曲。1971年4月5日にレコード発売。1994年3月30日にはCDシングルも発売されている。

Wikipediaより引用…

 

CDシングルが発売された後に産まれた世代である私がこの曲を知ったのは開歌というグループがカバーしていたからでして。

https://youtu.be/QQxgeoOYUjQ

 

シンプルな歌詞なのに深く人の心に響く、なるほどこれが歌い継がれる名曲かと納得しました。特に「あの時同じ花を見て 美しいと言った二人の 心と心が今はもう通わない」が好き。

 

『お互いに見つめ合って、お前のことが好きだよ、と言う愛とはちょっと違う。横に並んだ関係の中で生まれる、日本的な愛を詞にしたのです』(引用 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70146 )とのこと………。なるほどなぁ……いや実に良い、理想的な愛だなぁ。

 

ここで私が思い出してしまうのが前に付き合っていた人のこと。同じ花を見て美しいと言い合うことのできる人ではなかったのです。

「花を見ても、花だなぁとしか思わない」と言う人でした。情緒が小学生かよ……ワカルヨ、私も幼いころに学校行事だったり親とかに花とかいろいろ見させられたりしても興味がないものには心が動かなかった記憶がある。

あなたの隣で花が美しいと思っている気持ちはあなたが隣にいるからこそだったんだよなぁ。いや、1人で見ても綺麗だと思う。でもあなたが隣にいてくれたからリラックスして楽しくてわくわくして写真撮ったりして「来年も一緒に同じ桜見れるかな」とか考えて……そんな浮かれた気持ちは私だけだったと分かった時…むちゃくちゃさみしかった〜〜…私だけ恋してるみたいだった……付き合ってるのに片想い…

 

美しいと思えないのは仕方ないし、同じ気持ちになれと強制なんてしたって意味ないと分かっているので尚更しんどかった。

でも、一緒にいろんなもの見たり思い出つくったりしていつか美しいという心も芽生えてくれたら素敵だなとほんのり思っていました。

「片想いしてるみたい」という私の気持ちだけポロっとこぼしてしまったときは傷付けてしまったようでした。ごめんね、そりゃそれだけ言われても謎だよね。

これが花だけだったら関係は成立したのかもしれないけど、その他いろんなものも同じように「心と心が通った」ことは殆どなかったね……

 

でもあなたは、自ら動かないといけない場ではそれなりに楽しそうに振る舞う人だったし気を使うところでは周りに合わせて綺麗くらいは言う…かもしれない。あなたは花の写真ではなく、私の写真を撮るような人でした。

 

あなたは私の隣にいたから無防備になにも考えずにいれたのかな。あなたは横に並ぶ愛ではなく「お互いに見つめ合って、お前のことが好きだよ、と言う愛」が欲しかったのですか。

あなたとはなにもかも噛み合いませんでしたね。愛はあったのかもしれません。それはお互いに一方通行で愛らしきものがあればあるほど悲しく、寂しかったですね。だから『あの素晴しい愛をもう一度』とはなりません。きっとあなたもそうでしょう?このことだけはようやく噛み合うはずです。あなたを思い出すと泣いてしまいますが、一方通行の愛をぶつけ合っていた頃よりは悲しくも辛くもありません。永遠にさようなら。