世界を作った存在を神と人は呼ぶのだろう。
私は神様はいない…というより単一の神という存在を意識しないし、死んだら無になると思っている。
私にとってそう考えるのが楽だからだ。
私はそれを選択している。
菊池真理子先生の『「神様」のいる家で育ちました』(文藝春秋)で描かれている宗教2世の子どもたちはそうはいかない。
そこの難しさや苦しさを想像するだけでひどく重いものがある。
失礼な表現かもしれないが、ゾッとするものがある。
それにも関わらず『「神様」のいる家で育ちました』は読んでいてただ辛くなるものではなく、人間の強さやあたたかさをも表現している。
多くの人に読んでもらいたいと素直に思う。
そういえば私には、小学校の頃にとある宗教の家庭の子だろうという友達がいた。
今思えば、家庭の問題が透けてみえていた。
おとなしくて可愛くてきょうだいを大切にする子だった。時の流れと共に連絡を取らなくなってしまったことを後悔している。
今、どうしているだろうか…