海底の先

日常や本、映画などで心が動いた瞬間を文章にします。

自分が綺麗じゃないこと知ってるくせに

「すごく根が良いから」と言われて嬉しくなった自分がいた。恥ずかしかった。明らかにお世辞だし、他になにも褒めることがなかったから出てくる言葉なのに嬉しくなってしまったのだ。ほかの人にも同じようなことを言われて同じことを思った記憶が出てくる。恥ずかしい。

 

お世辞も含めて褒めなれていないことも恥ずべきことだ。

 

ありがたくそのまま受け取るにしても「根が良い」とわざわざ言うからには、パッと見では分からないということである。もう大人なのだからそれではいけない。

 

別の人に「〇〇さんはピュアだから」と何度か言われたこともあって、これは明らかに嘲笑というか手を持て余したというようなニュアンスが含まれていた。だから、の後になにを言いたいのだろうか。とても怖い。なぜその人がその発言に至ったかまったく心当たりがないのだ。とにかくなにかしらの迷惑をかけているということだけは分かった。

 

自分に良いところというか、そういうものがあるならそれを育てないとなかったことになってしまう。むしろ良いところのはずが悪く作用することだってある。

「綺麗っていうかなんていうか人と比べて競争しないっていうか…なんだろう…そういうところ好き」

私だって人と比べちゃうことはあるし、人と比べないのであれば自分の判断基準をきちんと持たないとただ怠惰なだけになってしまう。

 

人の心には誰しも綺麗なものがあると思う。私にもそれがまだ残っているのであれば、それは本と音楽のおかげだと思う。綺麗なものって汚れやすいけど、守ってくれて育ててくれたのは私が好きなものたちだ。

そう思うと自分のことを完全に否定することができなくなるし、ちょっと好きになれる。

私の一部分になっているものは、好きなものたちが守って与えてくれたものだ。それを大事にしたいしこれからも守って育てていきたい。

 

やさしくあれる強さがほしい。