海底の先

日常や本、映画などで心が動いた瞬間を文章にします。

良いものしか見てこなかった

講談師の神田伯山(松之丞)が、寄席には面白い人もつまらない人も出るからなぜウケてないかと分析するようなことをしていたというような内容をラジオで言っていたのを聞いて、ふと思ったこと。こうしたらいいのに、というような見方を私は今まで見てきたものに対してしていない。文学、音楽、映画、諸々。それらを見ようとするときに私は好きな作者だったり、古典に近いような昔からあって生き残ってきた名作だったりというところから広げて見てきた。だから言ってしまえば観る前から良いものに決まっているんですね。なんなら人生はお金も時間も限られているので良いものだけを取り入れようとしてきた。万が一ピンとこなくても自分向けじゃなかったとは理解できる質の良いものばかりで不満を持つことはなかった。つまらね〜って思ったことないな……

 

そして良いと分かってるものしか見ないっていうのは私だけじゃなくて、口コミとかがネットですぐに見れる時代には主流なんじゃないかな。

 

でもお笑いや落語、講談というものは残酷なほどに現在進行形の生物で、どんなに凄い人だってコンディションや客の様子などなど複合的な要素で面白いものにもつまらないものにも二転三転する厳しいものなんでしょう。なかなか怖いもんだ。

そのなかで、なぜ面白くないのかとか自分が見たいものはとか…あとはイタいし個人的には好きじゃないけど評論家ぶるみたいなみたいなことをたまにするのもありっちゃあり…なのかもしれない。

アァ〜〜深夜アニメの1話だけ全部観て勝手に星付けて評価しちゃうのとかさ〜好きじゃないんだけどさ〜良いものばかりを観てただ満足してるのってそれはそれで同じくらいなんか足りてない……

質の高いもの、良いものしか見ないということの弊害は確実にある。

評論家ぶる必要はないけど、世界を広げる必要はあるかもしれんな。

アァ〜〜〜〜〜〜〜