海底の先

日常や本、映画などで心が動いた瞬間を文章にします。

『絶滅危惧職、講談師を生きる』感想

GWに神田伯山にハマった話 - 海底の先 https://a2020-01.hatenadiary.jp/entry/2020/05/10/223430

 

ハマり続けておりまして、本を買いました。

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神田伯山をラジオ、テレビ、YouTube…いろんなメディアで見ると、不思議に思うことがありました。なにかを突き詰めていけばいくほど一般の世界を取り入れる時間もなく、突き詰めた世界の世界観や常識、共通言語で生きて染まってしまうのってもはや仕方がないとも思うんです。でも神田伯山はどっぷり伝統芸能に浸かっているにものにそれだけに染まらず、別の視点を持っているという不思議さを感じました。それが講談を知らない人に対してもウケた一因なんだろうなと思っていました。

『絶滅危惧職、講談師を生きる』で書かれていた大学生のときの時間の使い方をなど読んで、ああそうかと腑に落ちました。普通できることじゃない。

 

そして伯山ティービーでも人格者なことが分かる神田松鯉先生の徳の高さがあんまりにすごい。松鯉先生じゃなきゃこの6代目神田伯山は誕生しなかったのだろうなぁ。天才は1人じゃ生まれない。松鯉先生が現役のうちに真打になれて本当によかったね……

 

松之丞、こじらせすぎてちょっと、いやかなり引いちゃうエピソードもあるんだけどそれを本で曝け出しちゃうのはさすが。いつもやってるラジオとは違って本という媒体は真にうけるのが前提だしね。こんなにも考えてることや内面の深いところまでなんでもないような顔でさらりと目の前に広げられるのはかっこいい。

 

才能がある人が天才になるか凡人になるか、はたまた狂人になるかは紙一重なのかもしれない……。