海底の先

日常や本、映画などで心が動いた瞬間を文章にします。

マンガ『現実逃避してたらボロボロになった話』感想

永田カビさんの『現実逃避してたらボロボロになった話』がどんな内容かは…

こちらの試し読みをどうぞ(雑)

https://twitter.com/gogatsubyyyo/status/1180307439180058624

 

いや、感想をブログで書くにあたってこの作品が「他人に読んでもらえる形にする」ことをちゃんと行っているのを実感しました。

 

試し読みを前提にこの最初のくだりは描かれたのでしょうか。

どんな話か分からないと手に取らない層って今多いじゃないですか、私もこの試し読みを読んで買った人間なんですけど。

娯楽や物が溢れ、エンタメのサブスクなんかもあるなかで自分のためだけに有限なお金を使うのは悩むしそもそも「自分向けなのか?」が分からなかったりする。

この試し読みは、読みたい人にちゃんと届けられる良いものだなぁと思いました。

 

さて、これでは試し読みの感想になってしまう。

 

自分のダメなところを直視して表現するって想像を絶するキツさだと思うんですよね。

でもそれをちゃんとした考えのもとでしてくれて、私みたいな顔も知らない読者の糧にさせてくれるのありがたいなぁ。

ただダメなところを描くんじゃなくて、前に進もうとする葛藤だったりちょっとした笑いだったり魅力的な絵だったりと…(どうしても考えてることを解析度高くだそうとすると文字が多くなると思うんですけど、文字が多いとは感じないんですよね。バランス?文字の配置?なんでだろう)ボロボロになった話、なのに読んでて辛くはないんですよね。

環境はそのままなのに周りの一言だったり考え方の変化で今までの辛さがなくなって前に進める瞬間の描写が好きです。

自分の考え方が自分の首を絞めてることって結構あって、考え方ひとつなんだけどそこから抜け出すのってすごい難しい。

そして読者にとってはそのきっかけにこのマンガはなり得る。

すごいな〜〜…

 

実は、何年か前に永田カビさんの『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』買ってすごい好きだと思ったし、ツイッターフォローもしてたのでそれ以降他のエッセイ発売したのも知ってたんですよ。

だけど好きが故になのかレズ風俗レポの後の世界で苦しそうな姿あんま見たくないみたいな気持ちがどこかにあったり、フィクションは描かないのかなとか、ダメなとこも曝け出したエッセイが売れることって永田カビさんにどんな影響を与えるんだろうとか勝手にぼんやり思って買うまでに至ってなかったんですよ。

そこらへんのモヤモヤも納得させてくれるマンガでした。

幸せがなにかなんて私にはよく分からないけどさぁ、永田カビさんに幸せになってほしいなぁと思ってしまいます。

行ったり来たりしながら、少しずつ幸せになってほしい。

私はあなたのマンガに力をもらったので。