海底の先

日常や本、映画などで心が動いた瞬間を文章にします。

これは痛みに対するただの愚痴

 

耳が痛い。ああ、残念ながらこれは比喩じゃない。物理的なものだ。左耳の奥。普段は意識していない場所が急に主張をしてきた。そこに痛覚があるのは分かったよ、分かったから大人しくしてくれないか。

 

だんだんと顎まで鈍い痛みがしてくる。よって食事がしにくい。なんだか熱っぽい。だるい。ただし熱を測ると熱はない。一安心。新型コロナ以降、熱を出すと仕事を休まないといけなくなってしまったのだ。

 

さあ、病院だ。外耳炎だそうな。

「かなり真っ赤になってますね。耳傷つけちゃったりしました?」

してません。

薬で耳浴をしなければならないという。耳浴。知らないものに出会った。

 

さあ、出勤だ。出勤時間が遅い日だったので病院後でも間に合う。よかった。痛み止めを飲んではいるものの耳が痛い。耳からなにか生えてくるんじゃなかろうか。知らぬ間になにかの種がひょいっとはいって、私の身体を土台にしてにょきにょきっと。だってこんなに痛いのになにもなかったら痛いだけ損だ。

 

生えてくるなら綺麗な花を咲かせたい。耳浴って耳に液体の薬を溜めてそのまま横になるんだけど、そうしてたら綺麗に咲くんじゃないか。そんで、世界初!人間植木鉢!ってね。話題になったら物好きなお金持ちに植木鉢として飼われるんだ。鑑賞物だからね、保全はバッチリしてくれるさ。存在してるだけで大事にされてご飯が食べれてちやほさされる。あと、いい音楽や物語を聴かせるとさらに綺麗な花を咲かせるとかそういうことにしよう。

「仕事が遅い!」

 

へい、おっしゃる通りです。耳が痛い。ああ、これは99%物理的な痛みで、あと1%は比喩です。