海底の先

日常や本、映画などで心が動いた瞬間を文章にします。

『居るのはつらいよ』感想

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本の紹介は本の帯に任せるとして・・・
 
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ヤンデル先生のヨンデル選書で出会った本です。
 
居るのはつらいよ・・・存在の危機。その気持ちは心のどこかにいろんな形で私のなかにもいつもいる。沖縄の精神科デイケア施設で「素晴しい愛をもう一度」やゴールデンボンバーの「女々しくて」が歌われるシーンがあった。それ、私も好きなんだよなぁ。全く違う世界じゃなくて繋がっている世界なのだ。ケアとセラピーは日常でも何気なく行われていると読み進めていくと知る。居るのがつらい気持ちをちょっと楽にできるような気がした。
 
本筋とは少し離れるのだけど、この本では「遊び」における依存や「依存労働」という概念に触れている。
 
p57『僕らは誰かにずっぽり頼っているとき、依存しているときには、「本当の自己」でいられて、それができなくなると「偽りの自己」を作り出す』
 
ふむ?現代の社会では自立が良しとされているけれど、依存はふだん意識せずに行われているものということらしい。どうやら私は依存が下手らしいなと思うに至った。人となにかをして遊ぶのがむちゃくちゃ下手な原因を1つ見つけた気がしてちょっと私にとって衝撃的なところであった。「数少ないものに依存するのではなくて依存先を増やして安定させましょう」みたいなことって誰が言い始めたのか分からないけどなんか最近よく聞く。そしてそれにそうだなぁと思っていたのだけど、依存って私が思ってたよりもっと無意識で日常的なものらしい。依存についてもっと知りたくなった、なんか良い本ないかな~~。こんなふうに興味が広がるのが読書の面白いところの1つよねぇ。