海底の先

日常や本、映画などで心が動いた瞬間を文章にします。

感想『ゴールデンボンバーのボーカルだけどなんか質問ある?』

 

ゴールデンボンバーのボーカルだけどなんか質問ある?』

 

鬼龍院翔…キリショーが某にちゃんねる風スレッドの形式で幼少期から近年までを語る自伝。

重めの出来事が書いてあってもこの形式だと気張らずに読めるうえに分かりやすく、型にハマらないゴールデンボンバーらしさもある素晴らしいオリジナリティ。

 

2012年出版なのでだいたい8年前の本。

ゴールデンボンバーは元々曲聴いたりしていたので、この本の存在は知っていたけどなぜかこのタイミングで読了。

 

音楽観、恋愛観、お笑いの養成学校に通っていた過去などがあまりに赤裸々に語られていた。

 

大きな恋愛エピソードがあるのだけど、キリショーも彼女も不器用で言葉が足りてなくて、それゆえにお互いに身勝手で…好き同士なのに傷つけあっちゃうのは悲しいね。

 

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読み終わっての感想は、キリショーはどこまでも自分自身であり続けるしその道を突き進むしかないんだなぁということ。

 

キャラクターを演じるアイドルは一番辛い、というようなことを本の中で書いているんだけど…いや、芸能界で自分自身であり続けて人間的な部分もさらけ出すのもめちゃくちゃキツいだろうよと思ってしまう。

キャラクターを演じたり、タイアップの曲を器用にこなす、というのはつまり「仕事の顔を持つ」ということなんじゃないか。

それが出来なくて自分自身として表現し続けるということは音楽を職業にしているというのは結果であって、根本は才能がないとできない芸術家であるということだから。

 

 

 

凡人が、天才に勝つ方法。|つんく♂

https://note.tsunku.net/n/n22972c7216d4

 

『きっと、本当の意味での「天才」は、金儲けとか名誉とかを全部、完全に度外視して、単にやりたいことをひたすらやる人だと思います。

借金しようが、どんな格好してようが関係なく、とにかく「これがやりたい」を、貫ける人。もしくは、本当に頭の中に突然何かが降って湧いてくるような人。それが天才です。』  

 

 

その生き方は、つんく♂さんが語るような天才に近い存在だと思う……

(えーと、語弊がありそうなんで、つんく♂さんの文章は全部読んでほしい)

 

そんな茨の道をキリショー、ゴールデンボンバーはこの本を出したあとも邁進していると分かる企画をあげていこう。

 

・2014年シングル「ローラの傷だらけ」

音楽だけを売るために…

ジャケット・CDが真っ白!通常盤の1形態のみ!特典が一切なし!

 

・2017年発売シングル「#CDが売れないこんな世の中じゃ」では、曲を無料でダウンロードできるQRコードをホームページや歌番組で公開

 

・ 2017年発売 47都道府県別限定販売シングル「やんややんやNight ~踊ろよ※※~」

※歌詞に出てくる地名をそれぞれ歌い変えただけなので、複数買う魅力はあまりありません。

制作費が赤字のため、CDに広告を掲載いただける企業様を募集致します。

(HP原文ママ)

 

・2018年 オークションで高値になっている廃盤音源の無料公開

https://ameblo.jp/kiryu-in/entry-12423709320.html

 

・2019年発売アルバム「もう紅白に出してくれない」での企画「アルバム全部手作業するまで帰れま10」4万3,000枚!

https://youtu.be/P7j1t0W_yP8

「メンバーがCDをさわる」ことが特典っていかにもイロモノっぽいけど、実は結構考えさせられる企画。

 

・2020年コロナ自粛下において…

 

【鬼龍院】癒し&安眠のための焚き火動画1時間 https://youtu.be/PqQlEJgvTDk 

癒されるものと推しを足したらとても癒されるのでは、という企画。そしてシリーズ化。

 

「バブルはよかった」仮MV https://youtu.be/4eeh1PNekvc 

集まっての撮影ができないため、いらすとやを巧みに使ったMVを製作。

 

 

これ以外にも「令和」などキリがないのでこのあたりにするけれど、ゴールデンボンバー…キリショーが考えて悩んだ結果うまれた企画ばかり。

ゴールデンボンバーは音楽に留まらず、社会実験的な表現もしているともいえる。

 

そしてキリショーが自分自身であり続けながらも独りよがりにならないのは、ファンを大事にする姿勢を忘れないからだなぁ。

 

『メジャー行きま宣言』をしてインディーズで続けているにも関わらず、さらに大きくなって、メンバーのソロ活動も個性的に活発になったゴールデンボンバー

これからも今まで世の中にないような面白いものを見せてくれるはずなので、楽しみにしています。