中学生の頃に、ある職種に憧れた。女性が多い職種で、人と向き合う仕事だ。将来、人生として目の前の人の役に立てるようになりたかった。それは生きる糧になるという打算的な気持ちもあった。この頃から結婚しないと考えていたので、人の役に立つ場面や生きる糧は家庭にはないという焦りもあったかもしれない。
「あなたは人をサポートする側じゃなく、される側でしょう」
その職種に興味があることを親に言ったときに返ってきた言葉だ。10年は経っている今でもいまだにふと思い出し、ちくりと心が痛む。
なにがショックだったかって、それに自分が瞬発的に納得してしまったことだった。
その職種とは遠い進路を選択したものの、その後就職活動を始めたときに心にあったのはその職種や業界への憧れだった。結果としてその職種と同じ場所で働いている。だけれども、私は誰かの役に立てるような仕事をしているとは言えない。あの一言に納得してしまう自分のままだ。焦りがあるものの、どう行動したらいいかも分からない。逃げそうになる。とりあえずこの焦りを言葉にして固めて自覚することで焦りを糧やバネのようなものにできるんじゃないかと思ってこの文章を書いたんだよ。